ドックベストセメント
歯を削らない虫歯治療
ドックベストセメントによる治療は、虫歯を完全に除去することなく、ドックベストセメントに含まれるミネラル成分Fe(鉄)イオンとCu(銅)イオンのコンビネーションによる殺菌力、FeイオンとCuイオンの電位差によるバイオフィルムの生成阻止(血液中でのバイオフィルム増殖阻止と同じ原理です)、これらの効果により虫歯を完全に除去せずに、虫歯を無菌化して虫歯によりやられてしまった象牙質の再石灰化を促す治療法です。
ドックベストセメントとは?
ドックベストセメントは、19世紀後半にアメリカ フィラデルフィアのDr.John henry Holiday(通称ドックホリデー)が開発した、銅セメント(カッパーセメント)に由来します。
ドックホリデーが、ある女性の患者様の子供の時の虫歯の治療が102歳まで再発しないで健全に保たれたことに着目し、その時に使われていた銅セメントを改良し、レッドカッパーセメント(赤銅セメント)を開発しました。
その後、殺菌効果を高めようと、この銅セメントの銅の含有量を増やし過ぎたために歯の神経にとっては毒性が強くなりすぎたことと、時を同じくして新しいタイプのセメントが出てきたため、だんだんと使われなくなりました。
そして近年になり、Dr.Tim FrazerによりカッパーセメントとCopa-Laiteを組み合わせた応用法が発表され、これを新たにDoc’s Best Cements(ドックベストセメント)と改名したそうです。
銅セメント自体は、過去に日本でも使用されていました。
ドックベストセメントの成分は、銅、リン酸、亜鉛など天然ミネラルを主成分にしており副作用などの危険はほとんどありません。
ドックベストセメント治療の特徴
ドックベストセメントによる治療は、従来の虫歯治療とは違い、必要以上に歯を削らないため痛みを感じないことが多く、歯を削るための麻酔も必要が無い場合がほとんどです。
なぜならば、虫歯によりダメになってしまった象牙質は痛みを感じないからです。
象牙質の内部に入り込んでしまった虫歯菌などは、ドックベストセメントの殺菌力により殺菌され、虫歯によりダメになってしまった象牙質の再石灰化をうながします。
ドックベストセメントの効果は半永久的といわれています。
ドックベストセメント治療は、保険がききません。
そのため、ドックベストセメントの上に詰めるものも保険がききません。
ドックベストセメント治療は一回5千円と詰め物代(1~3万円)が目安です。
(詰め物は光CRとよばれている材料を基準にしています。)
歯の状態や症状などにより、ドックベストセメント治療が適応できない場合もあります。